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血栓予防の靴下

Posted by Jenny on 30.2010 シンガポール 生活 0 comments 0 trackback
20100630

母がやって来た。シンガポールへ。一人で。彼女は、今までツアーで海外旅行は経験しているものの、個人で他国へ入国するのは初めてだった。本人は「平気よ」一点張りだったが、娘の私は気が気ではない。チャンギ空港の到着ロビーに40分前から待機し、その間8回もトイレに行く始末。漸く明るく手を振る母の姿が見えた時、体中の緊張が抜けた。

母には、飛行機の中では沢山水分を取り、トイレに頻繁に行くよう勧めていた。煩いぐらい念を押し、案の定「もう分かったってば!!」と言われていた。今回は、私の忠告を悉く守ってくれた母だったが、やはり思いも寄らない事をしていた。それは血栓予防の靴下の履き方だった。

昨年、副鼻腔炎の手術を受けた際、私は血栓予防の靴下を履かされた。履くには聊か困難なストッキング状の靴下を、専用の布で滑らせて装着する。これを履く事で、手術中、及び術後に一定の体制故に起こりうる血栓とやらを防ぐ事が出来ると言う。飛行機内では、むやみに動き回る事が出来ない。故に、この血栓とやらが、時には重大な容体を引き起こすと言う。エコノミー症候群なるものも、一定の体制しか取れない為に、この血栓が詰まって起こる症状だと聞いた。

その血栓症を防ぐために、私は母にこの血栓予防のストッキングを送っていた。履き方も事前に国際電話で打ち合わせ済みだった。ハイソックスに似た形のストッキング状の物だが、一定の圧力が掛り、血栓を予防するというすぐれものだ。製造元にも、機内での装着が有効である事を確認済みだった。そもそも、機内では締め付けがきつい服は適さないらしい。だが、このふくらはぎを包み込む、弾力性のある履物は、適度に血流を刺激すると聞いていた。タブーは、中途半端な丈の締め付けがきつい靴下。これを履かせない為に、わざわざシンガポールから、この特殊靴下を母に送っていたのであった。

ところが、家に着いた後の母の足元を見て仰天。血栓予防のストッキングを直接履いたら汚れるからと、中途半端な丈の靴下を下に履いていた。そして、その上から血栓予防の靴下を履き、見事にふくらはぎ部分を過剰に圧迫させていたのだった。その為、ただでさえ装着が困難な血栓予防靴下は、なかなか脱ぐ事も叶わない程、きつい状態になっていた。「なんで、こんな履き方するのよー。」と悲鳴をあげた私に、母は「だって、下に靴下履いちゃいけないなんて言わなかったじゃない」と言い返した。案の定、母のふくらはぎの真ん中辺りは、中途半端な丈の靴下のゴム跡がくっきり付いてしまっていた。

6日経った今、母は至って元気である。だが、私は毎日一大事が起こらないようハラハラしていた。こんな無理をさせるくらいなら、血栓予防の靴下なんて送るんじゃなかったと何度も嘆いた。母の体は、随分な負担を強いられた事であろう。母は言う。「もう、シンガポールに一人で来るの簡単よ。いつだって、一人で来れるわ!!」と。兎に角、無事で良かった。

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